化粧品OEMを完全解説

化粧品のOEMメーカーを選ぶには、基本的な流れや委託するOEMメーカーの強みを正しく知っておくことが重要です。目的に合った化粧品OEMメーカーに出会うために、具体的な探し方や化粧品OEMのメリットなどをご紹介します。

化粧品のOEM・オリジナル商品例

  • スキンケア
    クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液、クリームなど
  • メイク用品
    化粧下地、BBクリーム、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、口紅など)
  • UVケア化粧品
    ローション・ジェル・乳液・クリーム・スプレーなど各種形状あり)
  • ボディ化粧品
    ボディ洗顔料、ボディローション、ボディクリーム、ボディパウダーなど)
  • ヘアケア
    シャンプー、コンディショナー、トリートメント、整髪料など)
  • ネイル
    ベースコート、カラーポリッシュ、キューティクルリムーバー、ネイルオイルなど)
  • フレグランス
  • 入浴剤

化粧品のOEM会社の探し方

目的に合った化粧品OEMメーカーを探す方法は次の3つです。

  • インターネットで探す
  • 展示会で探す
  • ビジネスマッチングサイトで探す

1つずつご紹介していきます。

インターネットで探す

手軽にOEMメーカーを探す方法としては、インターネットで「化粧品 OEM メーカー」などと検索することで多くの情報を手に入れることができるでしょう。様々な会社のホームページを見る中で実際に気になるメーカーを見つけたら、問い合わせをして詳細を確認してみましょう。

展示会で探す

OEMメーカーの展示会に参加する方法もおすすめです。一度に多くのメーカーの話を聞くことができるため、比較検討には最も適しています。展示会では過去に製造された実際の商品を手に取ってみることができたり、最新の処方や技術などを確認することができます。また、通常はイラストやイメージ画像などで確認になるパッケージについても、実物で確認することができるため、展示会の会期とOEMの検討の時期が重なっている場合は必ず参加することをお勧めします。

ビジネスマッチングサイトで探す

化粧品はOEM業界の中でも大変人気のカテゴリのため、ビジネスマッチングサイトなども多く登場しています。実際にコンタクトをとることがなかったとしても、サイトの中で情報集めをすることができるので、一度確認してみることをお勧めいたします。

おすすめの化粧品のOEMメーカー一覧

  • シルキースタイル
  • 日本コルマー
  • 株式会社プルソワン
  • 株式会社ハピネス
  • 株式会社シャンソン化粧品

化粧品のOEM会社の選び方

複数のOEMメーカーを比較検討する際に、確認しておくべきポイントは3つあります。

  • メーカーの得意分野
  • 技術や実績
  • サポート体制

メーカーの得意分野

化粧品と一言で言っても、洗顔、クレンジング、メイク、スキンケア、ヘアケア、スタイリング、カラー、パーマ、まつげ美容液、頭皮ケア等、たくさんのカテゴリが存在しています。すべての商品に対応しているメーカーもありますが、実はその中でこれが主力商品、という風に、メーカーには実は得意なカテゴリが存在しています。過去の商品開発の事例などを見てみると、どのカテゴリに強いメーカーなのかを確認することができるので、自分が開発したい商品を得意としているメーカーかどうか確認しましょう。

技術や実績

化粧品は様々な場所で販売されているため、お客様に選んでもらうためにはほかのものとは違う、購入するにふさわしい納得感が必要です。ありふれた商品を販売するのでは価格での勝負ということになってしまうため、いかに付加価値を付けられるかが重要になりますが、そのためにはメーカーが持っている技術が重要になってきます。特許製法の○○といったような、この商品ではないと実現できないような工夫が施されている場合、訴求力も高まります。

また、過去に販売されている商品がヒットしている、口コミがすこぶる良い、など販売後にお客様にきちんと納得感をもって受け入れられているかを見ることで、自店での販売を行うときの後押しになるでしょう。

サポート体制

化粧品には様々な法規制が敷かれています。製造・販売それぞれの工程においてノウハウのあるメーカーから商品を仕入れることで、様々なリスクを回避することができるため、どのようなサポート体制があるかもきちんと確認しておきましょう。

例えば、パッケージに必ず記載しなければいけないこと、商品パンフレットなどの広告物で使用してはならない表現など、正しい知識を持ったパートナーから商品供給を受けることで、市場にルールを守り質の良い商品を供給することができます。

また、全てのお客様に相性のよい商品は存在していません。ごくまれに肌トラブルなどが起きてクレームになってしまう場合もあるでしょう。そのような場合の対処はどのように行ってくれるのかなども、メーカーの力量が試されるところです。契約前に細かく質問し事前に確認しておきましょう。

化粧品のOEMのロット数

化粧品の場合、小ロットというと1,000個程度を指すメーカーがほとんどです。「100個~対応可」というところもありますが、製品が限られていることもあるので、作りたい商品がそのロットで製造できるかどうか、確認しておきましょう。

また、ロット数が少なくなるほど1本あたりの原価は高くなるので、予算との兼ね合いを考えつつ、ロット数を検討する必要があります。

化粧品OEM費用目安

使用する原料や容器などによって変わりますが、例えば100mlの化粧水を1,000本作ると60万円くらい、150mlの化粧水を1,000本作ると70万円くらいというのが目安になるのではないでしょうか。(編集チーム調べ)

化粧品のOEMにかかる費用の内訳は以下の通りです。

  • 初期費用(サンプル代、パッケージデザイン代、化粧品容器の版代、化粧箱の版代など)
  • バルク代(化粧品の中身)
  • 容器代(容器代、ラベル代、化粧箱代、梱包代、配送代)

使用する原料の価格が高くなれば、当然、商品の値段は上がります。

また、容器は、プラスチックよりもガラスのほうが高く、構造が複雑になったり、使用する部品が増えると高くなります。キャップの形状によっても費用は変わり、スクリューキャップ→ワンタッチキャップ→ポンプの順に高くなります。

化粧品のOEMの流れ

1.問い合わせ・打ち合わせ

事前につくりたい商品の企画をまとめた上でメーカーに問い合わせをし、打ち合わせをします。

ここでは商品の予算、販売価格、求める処方、入れたい成分、希望のパッケージなどについて詳細に打ち合わせをします。

2.試作品開発

まずは化粧品の処方を決定していくため、数パターンの試作品を作ってもらいます。

3.仕様の検討

処方が確定したら、容器の検討に移り、その後バルクとの相性を確認します。他にも、化粧箱に入れるか、シュリンク仕上げにするか、封入シールを付けるかなど、細かな仕様を詰めていきます。

4.仕様決定

商品の仕様が決まったら、見積もりを作成します。

5.契約・受注

見積もりの内容に問題がなければ、契約・受注となります。

6.資材の準備

原料や容器など、製造に必要な資材を手配しつつ、薬事法に基づいて必要な手続きや申請を行います。

7.製造・納品

商品を製造・生産します。メーカーによっては、製造工場での生産に立ち会うことも可能です。商品が完成したら、指定の場所・期日に納品されます。

化粧品をOEMで作るメリットは?

化粧品をOEM製造するメリットは主に4つあります。

専門の知識や設備が必要ない

通常、何らかの製品を開発するためには専門知識や開発設備が必要となります。そのため、そうした専門知識や設備がない企業が製品を開発するためには、大きなコストを支払ってスタッフの育成や製品の導入を行わなくてはいけません。しかし、化粧品OEMとタッグを組めば、技術的・知識的サポートを受けながら理想的な化粧品開発を行えるのです。

バルク・容器・箱を一括で依頼できる

化粧品にとって成分と同じように大事なのが、容器の使いやすさや化粧箱のデザインです。使用感や効果に満足してもらうのはもちろんですが、販促プロモーションをおこなう際には容器やパッケージデザインのデザインやコンセプトも無視できません。

化粧品OEMであれば、化粧品の中身から容器、化粧箱、封印シールまで一括して依頼できるのが強みです。OEMメーカー側でも、全体の商品コンセプトを理解して製造を進めてくれるため、思い通りの商品に仕上げやすくなります。

新規参入しやすい

化粧品OEM製造における大きなメリットは、新規参入のハードルが下がる点です。化粧品に求められるニーズは多様であり、多くの企業がさまざまな戦略を駆使して激しい市場競争を繰り広げています。

消費者は自分に合った化粧品を探すために、使用感や効果のみならず、パッケージのデザインや香りなどを細かくチェックします。初めて参入する企業が売り出す製品であっても、多くの消費者に受け入れられ、大ヒットする可能性が高いのが化粧品市場です。

OEMメーカーとタッグを組んで、消費者に受け入れられるコンセプトで商品開発・製造を進められれば、化粧品販売の新規参入がしやすくなるでしょう。